【case: 4 】パワーハラスメントの対応方法 ~相談編&回答編~

今回の事案は、弊社相談窓口に寄せられた契約企業アパレル企業Oの匿名相談者(以下からの相談のケースを紹介します。


昼下がり電話が鳴り、相談窓口の相談員(以下が対応します。

 

『お電話ありがとうございます。エィチ・シーサービス相談窓口でございます。』

 

『あ、初めて電話をしたのですが、こちらでハラスメントの相談受付はやっていますか。』

 

電話越しの問いかけには答えます。

 

『はい、当社とご契約企業の従業員様はどなたでも相談できます。

まずは確認の為、会社名と所属部署を教えて頂けますか?

それから任意になりますが、お名前を頂戴できますか。』

 

『私はアパレル企業O社のパワハラセクハラ委員の者です。

申し訳ございませんが、現状は匿名での相談とさせてください。』

 

『O社様ですね。はい、ご契約いただいているのでご相談をお受けいたします。

匿名希望とのことかしこまりました。

パワハラセクハラ委員の方ですか。本日はどのようなご相談でしょう。』

 

『かなり繊細な事案なのですが、昨日ある男性社員から委員の方に相談がありました。

委員は私ともう一人いまして、面談はそちらの人間がしました。

内容としては男性社員がその上司からパワハラを受けており、

問題なのは会社としてそのパワハラに加担している可能性があるとのことです。

しかし、面談した委員相談者「まだ誰にも言わないで欲しい」と頼まれたと言います。

その為か、面談した委員「今の段階では、相談者と約束をしたし、

具体的な内容は話せないし、上長への報告についてもできない。

次に面談をした時に相談者に改めて確認をしなければならない。」と話をしています。

私としては、現段階で直属の上長には情報共有をすべきと考えております。

少しでもアドバイスを頂ければとこちらに相談した次第です。』

 

『そうでしたか。ご連絡ありがとうございます。

相談対応の方法についての御相談ですね。

少しお話を伺いたいのですが、今回のように相談者から

情報開示を待って欲しいといったケースは今までにはなかったのでしょうか。』

 

Tさんは少し考えてから切り出します。

 

『今までですと匿名での相談はありましたが、

こういった情報開示を待って欲しいといった相談はありませんでした。

そもそも開示を待って欲しいと言われてしまうと

こちらとしても何の対応も取れないですし、

面接担当者だけに案件を任せるのでは何かあった時に問題が出てくると思うんです。

最低限は委員会の中で共有すべきではないでしょうか。』

 

Tさんは相談するうえで大分思うところがあるようです。

は言葉を選びながら回答します。

 

『過去、他社でも同様のケースで対応方法の相談が来ております。

一般的な対応としては、今回の御相談に関して

「まだ誰にも話さないで欲しいということで、一つパワハラの相談が入っています。」

といった具体的な内容は伝えず限定的に上長へ報告されてはいかがでしょうか。

これであれば、委員会に相談があったことは報告できますし、

相談者が希望している誰にも話さないで欲しいの希望にも添えると思います。』

 

『ああ、そうか。そうすれば良かったですね。

早速、面接担当をした者に上長へ報告をしてみるように話してみます。』

 

『もしよろしければ、当窓口には労務相談担当のコンサルタントもありますので、

より専門的なアドバイスもできるかと思います。

今は外出しておりますが、戻り次第折り返しご連絡を差し上げましょうか。』

 

『いえ、今のところ頂いたアドバイスで十分なので、

必要があればまたこちらから連絡させてもらいます。

ありがとうございました。』

 

『かしこましました。いつでもご連絡ください。』

 


企業のハラスメント担当といっても経験が豊富とは限りません。

当窓口では現場担当者の方々からの相談も多く受け付けております。

相談者との円滑な対応をするためにも必要があればお気軽に当窓口をご活用下さい。

 

エィチ・シーサービス株式会社の社外相談窓口サービスでは、

企業の総務担当者からの個別の案件のご相談も受けております。

豊富な経験と実績からお役に立つ助言をコンサルタントから致しております。

ご興味がございましたら、是非こちらからご連絡ください。