■前回のあらすじ
現場の総務担当者から寄せられた「体臭・遅刻・居眠り」の相談は、エィチ・シーサービスのカウンセラーがまず寄り添いながら受け止め、その後コンサルタントへ引き継ぎました。
コンサルタントは本社担当へ報告しつつも逆に「どう対応すべきか」と相談を受け、安易な決めつけがリスクになること、そして健康や環境要因を踏まえた慎重な対応の必要性を指摘しました。
アドバイスを聞いた総務担当者は、これまでの思い込みに気づき、「本人の尊厳と現場の不満、両方に配慮したやり方があるかもしれない」と希望を取り戻したのです。
- 体臭・遅刻・居眠り…“問題社員”への適切な対処法──現場の不満と対応限界【前編】
- 体臭・遅刻・居眠り…“問題社員”への適切な対処法──決めつけが招くリスク【中編】
- 体臭・遅刻・居眠り…“問題社員”への適切な対処法──尊厳と環境を守る対応【後編】
■段階的アプローチで状況を動かす
総務担当者が次に求めたのは、「では具体的に、どう動けばいいのか」という実践策でした。
コンサルタントは次のように説明しました。
まずは本人に寄り添いながら、自分から行動を変えるきっかけを与える段階。
それでも改善が見られない場合は、服務規程や就業規則といった会社のルールを根拠に、
職場環境を守るための正式な指導に進む段階。この二段構えがポイントです。
1.健康面への気づかいから始める面談(①マナー)
直属の上司を交えて、「最近体調どう?」「よく眠れてる?」といった配慮を前面に出した質問で状況を探ります。
例:「このところ少し疲れているように見えるけど、大丈夫?」/「勤務時間がきついようなら教えてほしい」
2.周囲との協働を意識させる伝え方(②周囲への配慮)
いきなり「臭い」と指摘せず、「周囲との作業がしやすい環境を整えたい」という全体視点で話を切り出します。
例:「作業場の空気や温度のことで、みんなが快適に過ごせる工夫を考えているんだ」→「汗や衣類の状態も影響することがあるかもしれない」
※1.2.の段階では本人の理解を促すもので、強制力はなく、命令ではありません。
3.背景の把握と支援策の検討
健康診断の案内、勤務時間の一時的調整、制服や作業着の洗濯支援制度の利用など、本人が改善しやすい仕組みを整えます。
4.職場衛生環境の維持義務を根拠にした指導(③服務規程)
本人からのリアクションが見られない場合、服務規程等を根拠として「職場の衛生環境を整える義務」を説明します。
ここでは会社としての指導であり、対応を求める正式なステップです。
5.会社命令による対応(④就業規則)
ここまでしても改善が見られない場合、就業規則に基づき、必要な対応を会社命令として指示します。
配置転換や勤務形態の変更なども含め、職場全体の安全・快適な環境を守るための措置です。
■健康配慮は義務であり信頼づくり
企業には従業員に対する安全配慮義務がありますが、同時に従業員自身にも健康管理に努め安全を守る自己保健義務があります。
プライバシーに配慮しつつ健康状態に関心を持つことは、単に企業が義務を果たすだけでなく、
従業員一人ひとりが責任を共有し、職場全体の信頼感や安心感を高めることにつながります。
■対応は“救うチャンス”
表面的には「厄介な社員」に見える行動も、本人が最も困っているケースがあります。
健康や家庭環境、人間関係など、外からは見えない事情が隠れているかもしれません。
だからこそ、決めつけずに向き合い、改善の糸口を一緒に探ることは、本人にとっても企業にとっても救いになります。
そして、社外相談窓口のような第三者の視点が、その第一歩を確実に後押しします。
エィチ・シーサービスでは
当社では、従業員からの相談だけでなく、人事担当者や管理職からの「対応に迷う」案件にも、法的視点と現場感覚の両面から助言します。
「この進め方で大丈夫か心配」「現場が疲弊している」――そんな時は、どうぞお気軽にご相談ください。
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