【相談事例 case:11】メールによる慇懃無礼な指導が辛い

今回の相談者は、若い上司からの指導に精神的な負担を感じているシニア社員の方です


 

相談内容:

相談者(60代・シニア社員)は、現在、部門の立て直しを任される責任者として業務に携わっています。

しかし、部門内のミスをきっかけに若い上司から厳しい指導を受けるようになり、そのやりとりに悩みを抱えるようになりました。

特に、上司からの指導メールには大きなストレスを感じているとのことです。

一見、丁寧な言葉が並ぶものの、その内容は厳しく、時に「慇懃無礼」と感じるほどで、

不安や緊張で眠れなくなる日も増えていました。

相談者は次第に「自分の年齢や立場を考えると、これはパワーハラスメントではないか」と疑念を抱き始め、

不信感が強まっていることを打ち明けました。

 

 

相談窓口カウンセラー対応:

初めての相談はネット経由でしたが、相談内容を確認したカウンセラーが「直接お話を伺いたい」と提案。

電話相談に切り替え、より詳しい状況を聞き取ることにしました。

カウンセラー:「上司とのやりとりで不信感を抱えるのは本当に辛いですよね。

                            特に、長年のご経験がある分、厳しい指摘が心に響いてしまうこともあると思います。」

相談者:「メールの内容がどうしても納得できないんです。

                  指摘を受ける度に、自分が全て間違っているように感じてしまって…。

                  上司もそのやり方が正しいと思っているんでしょうけど、受ける側としては辛いです。」

カウンセラー:「そのお気持ち、よく分かります。厳しい指導が続くと、自己評価が下がりがちです。

                             でも、そう感じることは自然なことで、その思いを大切にしてください。

                             もし直接お話しするのが難しければ、相談窓口を活用してサポートを受けながら

                             上司との対話の場を設けることもできますよ。」

相談者は当初、不安から匿名での報告を希望していました。

しかし、カウンセラーとの話し合いを通じて、実名での報告がより具体的で適切な対応につながること、

会社側が相談者の不利益にならないようにプライバシーの保護を徹底していることを理解したことで実名相談に踏み切る決断をされました。

 

結果:

相談者からの報告を受け、会社は社内調査を開始しました。

調査の結果、上司に悪意はなかったものの、責任の重さを考慮せず強い言葉を使ったことが問題視されました。

その後、上司にはコミュニケーション研修を実施し、相談者の業務負担を軽減する環境を整備することとなりました。

必要に応じて異動の選択肢も提示されたとのことです。

これにより、相談者は安心感を得て、前向きに業務へ取り組む意欲を示されました。

 


 

今回のケースは、表面的な丁寧さの裏に潜むコミュニケーションのリスクを示す事例です。

エィチ・シーサービス株式会社では、職場環境改善を目的としたパワハラ防止研修や管理職向け指導研修を提供しております。

また、社員の皆様が安心して相談できる環境を作るための相談窓口も運営しています。

ご興味がございましたら、ぜひこちらからご連絡ください。