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「上司なんだから、部下の態度に感情的になってはいけない」 「怒りを表に出すのは、マネジメント能力が不足している証拠だ」
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そんな世間の"常識"や、自分自身への厳しい責任感が、怒りを押し殺し続けて苦しんでいる方々を追い詰めています。
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今回ご紹介するのは、ある化粧品メーカーで活躍する女性管理職の事例です。
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彼女を苦しめていたのは、暴言でも暴力でもなく、部下からの「拒絶」の態度でした。
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エィチ・シーサービスの社外相談窓口に電話がつながった時、受話器の向こうの女性の声は、怒りと疲労で震えていました。
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「朝から露骨にため息をつかれたり、私が話しかけようとすると、顔も見ずに手で制されるんです。『今、無理です』って。あり得なくないですか?
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何度『いい加減にして』って声を上げそうになったか。でもそんな風に怒りを出すわけにはいかないじゃないですか。私は管理職だから、尚更。」
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相談者は、ある化粧品メーカーの営業部で管理職を務める40代の女性(仮名:Aさん)。
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そして怒りの対象は、部下である30代の女性社員(仮名:Bさん)の態度でした。
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進捗確認をすればPCから目を離さず大きなため息をつき、会議ではペン回し、極めつけは無言で手のひらを向ける「拒絶」のジェスチャー。
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これらは、最近「フキハラ(不機嫌ハラスメント)」と呼ばれている事象に近いものです。
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しかし、殴られたわけでも、大声で怒鳴られたわけでもありません。
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だからこそAさんは、怒りを表に出せず、ただ耐え続けていました。
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電話相談が進む中で、彼女はその胸の内を少しずつ明かしてくれました。
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「もし会社に『部下の態度に腹を立てている』なんて相談したら、『感情的になる未熟な管理職』だと思われるんじゃないかと……。
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怒りをコントロールできない人間だと判断されて、これまでの築いてきた信頼やキャリアに傷がつくのが怖かったんです」
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この恐怖こそが、彼女を孤独な我慢へと縛り付けていた正体でした。
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管理職として冷静でなければならない。部下を感情的に叱責してはならない。
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それなのに、部下の幼稚な態度に日々怒りが湧き上がってくる事実を知られることは、
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彼女にとって自身のプライドとキャリアを否定されるのと同義だったのです。
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「仕事は嫌いじゃないのに、あの部下と向き合うのがしんどくて。
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最近は夜中に何度も起きてしまうし、プライベートな時間でも部下を思い出してイライラして、ずっと緊張している感じなんです」
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怒りを抱え込み続けた結果、心と身体のバランスが少しずつ崩れ始めている状態でした。
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“まだ頑張れるはず”と思いながらも、どこかでこのままではよくないと気づいていたAさん。
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そんな中でエィチ・シーサービスの番号を押したのは、「現状のつらさをわかってほしい」という切実なSOSでした。
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次回は、対話を通じて見えてきたAさんの「本当の願い」と、怒りの感情を健全に扱いながら解決に向かうプロセスについてお伝えします。
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エィチ・シーサービスでは
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第三者として従業員の「社内に言えない本音—怒りや苦しみ」を確実にキャッチ。
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リスクが表面化する前に、企業側の適切な対応を促すための橋渡しを行います
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管理職のSOSを早期に拾い上げる仕組みづくりにご活用ください。
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「感情的だと思われたくない」――女性管理職を追い詰めた部下の”フキハラ”【前編】