「相談窓口って、意味あるの?」――ある人事担当者の気づきと学び【前編】

「せっかく相談窓口を設けたのに、誰も使ってくれないんです……。」

準大手企業の人事部で働くAさんは、そう打ち明けてくれました。

法律改正を受け「労働者の安全への配慮」や相談窓口の設置が義務になり、人事部内に相談窓口を設置したAさんの会社。

掲示板に案内を貼り、イントラネットにも掲載、社内報にもコラムを載せて周知を徹底してきました。

にもかかわらず、設置から1年経っても相談件数はゼロ。

むしろ社内では「誰も使わないなら、意味ないんじゃない?」という声すら出始めていたといいます。

Aさん自身も、「これ以上、何をすればいいの?」と行き詰まりを感じていました。

相談窓口について調べていたAさんはエィチ・シーサービスのウェブサイトが目に留まり、

お問い合わせフォームから相談の連絡をしてくれました。

 


 

■ 機能していないのは「相談窓口のせい」ではなかった?

後日、Aさんと当社のコンサルタントが面談を行いました。

話を聞いていくうちに見えてきたのは、「相談窓口を設けたことと、使ってもらえることはまったく別の話」という現実。

「社内窓口って、誰が対応しているんですか?」

「基本は私と、直属の上司である人事部長です。でも、部長はなかなか言葉が強くて、他の従業員が委縮してる部分も実はあるんですよね…。」

「相談窓口がある」と言っても、そこに「安心して相談できる空気」がなければ、誰も声をあげようとはしません。

Aさんの会社の場合、窓口の担当者自身が「相談しにくい存在」になっていた可能性が高かったのです。
まずは、その特徴や原因を見ていきましょう。

 


 

■ 社外相談窓口という選択肢

コンサルタントは、複数の事例を交えながら、社内相談窓口の課題や限界について説明しました。

そのうえでご提案したのが、「社内の信頼関係に左右されにくい、第三者による社外相談窓口の併設」です。

外部の専門機関が相談を受け付けることで、相談者は匿名性や中立性のある環境で本音を打ち明けやすくなります。

また、一定の距離をもった立場でヒアリングを行うことで、表面化していなかった小さなトラブルのも拾いやすくなるというメリットも。

Aさんはこの提案を持ち帰り、社内で再検討した結果、エィチ・シーサービス株式会社の社外相談窓口を導入することが正式に決まりました。

「“設置すること”じゃなくて、“相談が寄せられること”に意味があるんだって、ようやく実感しました」と話してくれたAさん

しかし、動き始めたからこそ、次なる課題が見えてきたのです――

 


 

次回は、実際に相談が寄せられるようになってから直面した担当者の悩みと、それをどう乗り越えたのかをご紹介します。

エィチ・シーサービス株式会社では、相談窓口の設置支援に加え、担当者の育成や対応研修も行っています。

「うちも何か始めたい」と思ったら、ぜひお気軽にご相談ください。

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