【後編】制度を「生きたもの」にするために。社内・社外の“両輪”で築く真のコンプライアンス体制

■前回のあらすじ

中編では、従業員が社内相談窓口に声を上げにくい心理的背景について掘り下げました。

多くの従業員は、いきなり「通報」したいわけではありません。

しかし、社内窓口であるがゆえの「大ごとになるのでは」「評価に響くのでは」という不安が、その一歩を踏みとどまらせてしまいます。

社外相談窓口は、そうした声を拾い上げ、感情と事実を整理して会社へ繋ぐ「緩衝地帯」として機能することをお伝えしました

 



 

従業員にとっての「安心の入口(社外相談窓口)」の意義を理解したBさん

しかし、難色を示す経営層を説得するには、もう一段高い視点が必要でした。

それは、「そもそも企業にとって、なぜそこまでして相談窓口を整える必要があるのか」という根本的な問いへの答えです。

 

「パワハラ防止法や公益通報者保護法で義務付けられているから」

もちろん、それも事実です。ですが、それは本質ではありません。

窓口設置の真の意義は、組織内の違和感やトラブルの芽を早期に発見し、

取り返しのつかない事態を防ぐ安全装置として機能させることにあります。

もし従業員が、「会社に相談しても無駄だ」「不利益を受けるかもしれない」と

思い込んでいる状態を放置したらどうなるでしょうか。

行き場を失った不満は、突然の離職の連鎖、SNSでの炎上、

あるいは外部機関への駆け込みといった深刻な経営リスクとして顕在化します。

「相談窓口」は単なる苦情処理係ではありません。

従業員が安心して働ける環境(心理的安全性)を担保し、結果として企業文化と経営そのものを守る重要なインフラなのです。

 


 

Bさんは、経営層への提案内容を見直しました。

「問題が起きていないから不要」ではなく、「見えない問題を早期に把握するための投資」へ。

そしてたどり着いた答えが、社内窓口社外窓口両輪による運用でした。

 

・社外相談窓口

心理的ハードルを下げ、従業員の迷いや不安を匿名性をもって広く受け止める。

第三者であるカウンセラーが丁寧に話を聴き、感情を整理する。

その上でコンサルタントが客観的な事実や問題点を抽出する。

・ 社内相談窓口

社外窓口で整理された情報をもとに、社内担当者が状況を正しく把握。

組織としての改善や具体的な解決策を実行していく。

 

社外相談窓口という「安全な入口」で広く声を拾い、

社内相談窓口という「出口」で組織を良くしていく。

この連携があってこそ、窓口は「形だけの制度」から「生きたインフラ」へと変わります。

この提案により、当初は追加コストに難色を示していた経営層も納得。

Bさんの会社では、社外相談窓口導入に向けた前向きな検討が始まりました。

健全な企業とは、問題がゼロの会社ではありません。

「小さな違和感」の段階で、ためらわず声を出せる会社です。

沈黙を「安全」と誤認した瞬間から、組織のリスクは静かに積み上がっていきます。

あなたの組織の「静けさ」は、本当に安全の証でしょうか。

今一度、自社の相談体制が従業員にとって真に機能する「両輪」になっているか、見直してみてはいかがでしょうか。

 


 

エィチ・シーサービスでは、

  • エィチ・シーサービス株式会社では、「社外相談窓口」サービスを提供しております。

    産業カウンセラーが従業員様の声を丁寧に受け止め、整理したうえでコンサルタントが客観的事実を企業様へフィードバック。

    社外の安心」と「社内の解決力」を掛け合わせた両輪の体制構築で、貴社のコンプライアンス推進を力強くサポートいたします。

    ご相談・お問合せはこちらから。

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