【後編】法改正で見直す「相談体制」のつくり方──企業を守る「相談体制」とは

  • ■前回のあらすじ

    前回は、社内の相談とカスタマーハラスメント・求職者等への対応では、求められる判断や対応が異なることをご紹介しました。

    相談窓口を設置するだけではなく、その後の対応まで含めた「相談・対応体制」を整えることが重要であることをお伝えしました。


  • 【前編】法改正で見直す「相談体制」のつくり方──社内相談窓口だけでは対応できない?
  • 【中編】法改正で見直す「相談体制」のつくり方──「社外の人」が関わる相談は何が違う?
  • 【後編】法改正で見直す「相談体制」のつくり方──企業を守る「相談体制」とは

  • ■企業はどのような相談体制を整えればよいのか?

    前回までの話を聞き、F総務課長(以下F)は自社の体制を思い返していました。

    F:「相談体制が大切なのは分かりました。でも、具体的には何を整備すればいいのでしょうか。」

    コンサルタントC(以下C)「まず大切なのは、相談を受けた後の流れを明確にすることです。」

    「相談があったときに担当者が一人で悩まなくて済むよう、あらかじめ社内で対応手順を整理しておくことが重要です。」

  • ■相談を受けた後の「流れ」を決めておく

    相談窓口は、相談を受けることがゴールではありません。

    相談を受けた後、

    • ・誰がどうやって事実確認を行うのか

    • ・どの段階で責任者へ報告するのか

    • ・誰が問題対応を進めるのか

    • ・速やかに外部専門家へ相談できる体制はあるか

    といった流れをあらかじめ決めておくことで、相談が寄せられた際にも組織として落ち着いて対応できます。

    F:「担当者だけで抱え込まない仕組みが大切なんですね。」

    C:「その通りです。

    相談担当者は問題を一人で解決する人ではなく、適切な対応につなげる役割を担います。

    だからこそ、管理職や人事部門との連携が欠かせません。」

  • ■社外相談窓口という選択肢

    F:「相談体制を整えるとなると、相談窓口の担当者だけで対応するのは難しそうですね。」

    C:「おっしゃるとおりです。

    相談内容によっては、人事部門や管理職、必要に応じて外部専門家と連携しながら対応することもあります。

    そのため最近では、対応窓口として社外相談窓口を導入する企業も増えています。」

    社内に相談窓口があっても、

    • ・上司や人事には報告しづらく、相談できない

    • ・評価に影響するのではないかと不安

    • ・面接での出来事を会社側には伝えにくい

    と感じる方は少なくありません。

    窓口が社外であるという選択肢を増やすことで、相談者は安心して声を上げやすくなり、企業も問題を早い段階で把握し、適切な対応につなげやすくなります。

  • ■相談しやすい環境が企業を守る

    F:「相談件数が増えると、『問題の多い会社』と思われるのではないかと心配になります。」

    C:「逆だと思います。

    むしろ、小さな違和感の段階で相談できる環境があるからこそ、大きなトラブルを未然に防げることも多いんです。」

    相談する場所がなければ、社員や求職者は会社ではなく、労働局や弁護士などへ直接相談する可能性もあります。

    さらに、現在はSNSなどを通じて、一度外部に出た情報が広がり、企業の評判や信頼に影響するケースも深刻です。

    企業にとって重要なのは、問題が大きくなってから対応することではなく、早い段階で状況を把握し、適切な対応につなげることです。

  • ■法改正は「相談体制」を見直すチャンス

    F:「法改正というと、新しい制度を作ることばかり考えていました。」

    C:「もちろん制度を整えることも大切です。

    ですが、それ以上に大切なのは、今ある仕組みがきちんと機能するかを見直すことです。」

    相談窓口は設置していても、

    • ・担当者任せになっていないか

    • ・現場や担当部門との連携は取れているか

    • ・社員や求職者が安心して相談できる環境になっているか

    こうした点を確認することが、法改正への対応につながります。

  • ■まとめ

    F:「法改正への対応というより、自社の相談体制そのものを見直す良い機会なんですね。」

    C:「そのとおりです。

    相談窓口は、設置することが目的ではありません。

    相談を受けた後、組織として適切に対応できる体制が整っていて初めて、その役割を果たします。」

    C:「そして、もう一つ大切なのが『人』です。

    実際に相談を受ける担当者が、どのように話を聞き、どこまで対応し、どの段階で管理職や専門家につなぐのか。

    そうした対応を、担当者自身が理解していることも重要です。」

    F:「なるほど……。

    そう考えると、うちも窓口を設置しただけで、担当者への教育までは十分にできていないかもしれません。」

    C:「そこは、私たちが普段から企業様と一緒に考えているところです。」

    令和8年10月の法改正をきっかけに、相談窓口だけでなく、「誰が、どのように対応するのか」まで含めて、自社の相談体制を見直してみてはいかがでしょうか。


  • エィチ・シーサービスでは

  • エィチ・シーサービス株式会社では、社外相談窓口の運営をはじめ、法改正に対応した相談体制の構築支援、相談担当者・管理職向け研修など、企業の実情に合わせたサポートを行っています。

    「法改正への対応を進めたい」「今の相談体制で十分なのか確認したい」とお考えの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。

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